ではそのジャパニーズスタイルの日本独自のパンクのスタイルがどのへんから出てきたかというと
やっぱこれだろうなあ。
THE STALIN
これも元祖グランジっぽいと言えなくもない。
しかしTHE STALINは解散し、「絶賛解散中」とかいいつつVIDEO STALINとかいうよくわからんバンドを経て次に
THE が付かない STALIN になるんだけど
たぶんそれぞれミチロウさん以外のメンバーは入れ替わってるんだと思うけど詳しくは知らない
ともかく、同じ遠藤ミチロウさんが率いる同じSTALINの名を冠したバンドではあるが、THEが付くか付かないかで全然違うのはこれ1曲だけですぐわかるはず。
この真夜中のオモチャ箱という曲は当時からかなり好きだったんだけど、子供心にもTHEが付くほうのSTALINとは全く別モノだとは思ってた。
良いか悪いか別としてTHEが付いてた頃よりかなりポップでメロディックになってる。
ポップといってもこの当時まさに全盛期だったバンドブーム系ビートパンク勢とはポップのセンスが全く異なる。
ミチロウさんは当時のインタビューでそういうビートパンク勢をかなり毛嫌いしてたしブルーハーツすら厳しく酷評してたし。
だがそんなバンドブームの真っ最中にポップな新生STALINで勝負に出たのはビートパンク勢に対抗意識とか持ってたからじゃないのかな。
知らんけど。
先輩をナメんなよ?みたいな。
そしてこのTHEが付かないSTALINのポップセンスは何に近いかというと、90年代中盤頃から世界を席巻することになる「メロコア」に似てるんだよなあ。
THE STALINはグランジを先取りし、STALINはメロコアを先取りしていた!
遠藤ミチロウさんは予言者だったのか?
まあカラクリをバラすと後のグランジ勢はだいたい80年代半ば頃からアンダーグラウンドで活動してたし、
メロコア勢も、バッドレリジョンとかALLとかは89年とかその頃にはもうメロコアのスタイルを確立してたんだわな。
とはいえ、遠い日本でそういう海外の最新アングラ事情がリアルタイムに情報伝わってたかは怪しいし、
やはり偶然に同じ時代の空気を吸ってしまった結果の同時発生だと考えてみたい。