ところで日本のポップス史上でこんなふうに極端に歌謡っぽい曲と極端に洋楽っぽい曲の両極端の二本立てだったのといえば1960年代に流行った「グループサウンズ」がある。
グループサウンズのバンドはみんな、バンド自身はビートルズやストーンズ、R&Bやブルースやサイケデリックロックといった、当時において洋楽の最先端だった音楽をやっていたのだが、
音楽業界の偉い大人から「それじゃ売れない」って事で全然好きじゃない歌謡曲要素盛り盛りの曲を押し付けられてやらされてたんだよな。
ゴールデンカップスとかダイナマイツのようなガチでヤバい不良だったバンドですら歌謡曲ぽい曲をやらされてたんだから、それほど当時の業界のエライヒトは不良でも逆らえないほど怖かったんだろうなあと考えるんだけど
このジャンルのバンドはしかし、押し付けられた歌謡曲系の曲をちょっとロック風にアレンジするとかそういうささやかな抵抗をしたりもしたので
現代の感覚で聞くと、結果的に、昭和歌謡要素と60年代サイケデリック期の洋楽要素が絶妙にミックスされた独特の音楽性が楽しめるという、それで、世代じゃない世代の中から定期的に「世代じゃないけどGSマニア」みたいなのが生まれてくるわけだけど
これはまだ時代的な制約があって、バンド本人達にとっては不本意かもしれないけどケガの巧妙みたいな感じで偶然にオリジナルな音楽が生まれてしまった結果なわけだけど
そこいくと歌謡路線も洋楽路線もどちらも自分たちがやりたくて全力でやってるリーダーズは、良い時代に恵まれたからもあるかもしれないけど、
やっぱり天才だしポジティブだし最高だ。
「やさられてる感」が全く無い。